Japanische Klassiker mit Furigana
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いぼ
童話集 ごんぎつね|最後の胡弓ひき ほか十四編
Lesen Sie 童話集 ごんぎつね|最後の胡弓ひき ほか十四編 (いぼ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.278 Zeichen · 30 Bildschirme
時計を見ると三時四十分でした。さっきは、入口のガラス戸の下までさしていた日ざしが、いまは、上の方に忘れられたように、ほんのすこしのこっているだけです。
と、そのとき、入口の戸をガラガラと乱暴にあけて、茶色のジャケツをきた少年が手さげかばんを持ってはいってきました。
「ただいまァ。」
克巳でした。
松吉と杉作は、一ぺんに生きかえりました。「克巳ちゃん。」ということばが、松吉ののどのところまで出てきました。しかし、そこで、とまってしまいました。克巳のあまりに町ふうなようすに対して、じぶんたちのいなかくささが思い返されたのでした。
克巳は、最初に松吉と、それから杉作と顔をあわせました。しかし克巳の目は、知らない人を見るように冷淡でした。おれたちが、松吉、杉作なことが、まだ、わからないのかなと、松吉は思いました。歯がゆい感じでした。
克巳はながくは、そこにいませんでした。松吉のうしろの階段をのぼって、二階へ上がってしまいました。
でもまだ松吉は、望みをすてませんでした。克巳は、ちょっとした用事を二階ですまして、いまにおりてくるだろう。そしておれたちと遊んでくれるだろうと、松吉は考えていました。